用語集

 

 

アルツハイマー型認知症

A,アルツハイマーによって報告された痴呆を主症状とする原因不明の脳の器質的疾患。記憶障害、見当識障害等を伴なった進行性の痴呆で、 40歳代後半〜60歳代前半に発症する事が多く、 アルツハイマー型老年痴呆は高齢期に発症し、高度な痴呆となる。

介護の社会化

これまでは,日本に限らず,介護というものは家庭で行われるものでした。しかし,長寿社会となるにつれ,介護の期間が長期化してきました。さらに,核家族化が進行したために,成人した子供は親と同居しなくなってきています。このような状況が積み重なった現在,介護は家庭だけでは行えなくなりつつあります。そこで,介護を社会全体で支えていこうという考え方が「介護の社会化」です。
介護力強化病院


老人病院の一種で,正式には入院医療管理料承認病院といいます。通常の特例許可老人病院と比べてどのあたりが違うのかというと,患者あたりの看護・介護職員の数が多く,看護・注射・投薬・検査に対する医療保険からの負担が一定額に決まっている(定額制)点が違います。これは,従来の老人病院で見られた薬漬けによる医療保険の過剰負担を押さえ,介護・看護による機能回復に重点をおくことを目的としています。   この病院は,患者あたりの看護・介護職員の数が多くなるほど,医療保険の負担額(老人病棟入院医療管理料)が増えるようになっています。つまり,看護・介護の質を強化していくことを、病院に推進させる制度となっています。

介護老人保健施設


通称「老健」。介護保険制度にて運営していますので介護保険が適用される方が対象です。24時間365日休みなく運営しているいわゆる入所型の施設です。具体的には要介護1から要介護5と認定された方なので原則は65歳以上の方ということになります。また入所中の方でも介護認定の更新で要支援、もしくは自立と認定された場合は利用不可となり退所扱いとなります。
介護老人保健施設はリハビリテーションを中心とした医療サービスを提供し、在宅復帰を目的としています。このため、看護師、介護職員に加え、医師、理学療法士、作業療法士等、リハビリテーションに特化した職種も配置しています。
病院などでの治療が終わり病状が安定している高齢者を受け入れる施設ですが、現状は自宅での受け入れが困難などの理由から、特養への入所を待つ長期入所者が増えています。病院と在宅の中間施設という位置づけで、リハビリを行う役割ももっています。原則は、自宅復帰を目指しているため、入所者は要介護3以上が半数以上と特養より要介護度が低くなっています。

グループホーム

介護が必要な認知症の高齢者が入居でき、最大9名を1ユニットとして、スタッフと家庭的な雰囲気の中で共同生活を行ない、残存能力を引き出し認知症の緩和を促すことを目的とした介護サービス施設です。認知症を発症した介護認定者で、少人数による共同生活を営むことに支障がない方が入居できます。
 専門のスタッフと共同生活をするものです。食事を作ったり、掃除をしたり、役割や出番を持ち続けることによって、脳を刺激し、痴呆のお年寄りに残された能力(残存能力)を引き出して、痴呆の進行を遅らせます。
ケアハウス

ケアハウスは、老人福祉法の「低額な料金で、老人を入所させ、食事の提供、その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設」にあたります。
ケアハウスは、個別の部屋の利用が可能な上に、要介護状態になっても同施設内で介護が受けられるということがいちばんの特徴です。
食事付きの高齢者向けマンション。全室個室で、食事・入浴・緊急時の対応を行ないます。60歳以上の方(夫婦の場合はどちらかが60歳以上)で自炊ができない程度の身体機能の低下が認められた方、または高齢のため独立して生活するには不安がある方が利用できる施設です。寝たきりになると退去を求められる場合もあります。管理人常駐、食事付きが一般的 。痴呆などの重い症状のお年寄りではなく,比較的自立している,自宅での生活が困難なお年寄りが入所します。
ケアプラン

高齢者が介護を受ける際に,どのようなサービスでどの程度援助をしていくか,という介護計画のことです。実際には高齢者の心身の状態や希望,家族の要望などを考えて,ケアマネージャーと呼ばれる専門家がケアプランを作っていきます。
  実際には,週単位でのサービスの時間割表や,高齢者の生活改善の目標などが計画として立てられ,この計画は目標の達成や新たな要望などの変化に応じて,書き換えられていくことになります。ただし,うまくケアプランを立てても,サービス提供者の事情などにより実施できないとか,市町村格差などの問題も多くあります。
ケアマネジメント

ケースマネジメントとも言われます。高齢者が受けられるサービスは,施設サービスの老人ホームや在宅サービスのホームヘルプなどの様々なものがありますが,それらをバラバラに受けてもお金や時間の無駄になり,高齢者に負担がかかる場合もあります。そこで,高齢者の要望や心身の状態を考え合わせ,保健・医療・福祉のいろいろなサービスを,効率よく総合的に提供するために取り合わせを考えることが「ケアマネジメント」です。
  この仕組みでは,高齢者がサービスを受けるかどうかの評価と判定,ケアプランの作成,各種サービスの斡旋/調整,適切なケアプランへの組み直し,と様々な仕事が期待されています。公的介護保険でも,在宅介護支援センターなどの機関で,このケアマネジメントの仕組みを導入することになっています。
軽費老人ホーム

特別養護老人ホームや養護老人ホームとは違って、入所者が直接契約して入所が決められる老人ホームです。「家庭環境・住宅事情」のために在宅での生活ができない老人が入ることができます。2つのタイプがあり、入所者の経済状況等の条件により、食事サービス付きのA型と自炊が前提のB型に分けられます。
公的介護保険

簡単に言うと、医療保険の福祉版のことです。医者にかかったときには、診療費の一部を、普段払い込んでいる保険料が肩代りしてくれます。これを「医者にかかったとき」ということから「介護サービスを利用したとき」という風になったものといえるでしょう。
  介護保険は65歳以上(特定病・特定障害は40歳以上)の高齢者が介護サービスを受けたときに支払われます。払われるお金は地域の機関で判定される介護を必要とする度合で、数段階に分かれます。ただし、介護サービスを受ける人は金額の1割の負担をすることになっています.また、定められた金額以上のサービスを受けた場合はオーバーした分は自己負担となります。
高齢化社会

高齢者(65歳以上)の人口の割合が、7%以上14%未満を占めている社会のこと。先進国のほとんどは高齢化社会です。
  日本の高齢化は今に始まったことではありませんが、高齢者の人口が増えるのと共に、新しく産まれてくる子どもの数が少なくなって、これからも高齢化が加速度的に進んでいきます。大体2050年に高齢者人口が33%でピークを迎えるという推計がありますが、そのころには日本はどのようになっているでしょうか。
高齢者世帯

厚労省によると65歳以上の男性と60歳以上の女性で出来た世帯か、18歳未満の子供と暮らす世帯、ということです。1996年現在、全国の世帯の14.2%、約562万世帯がこういった高齢者世帯です。そのうち6割以上が無職。厚生省の推計では2010年には、高齢者人口の67%が高齢者世帯になる予定とのことです。
  ちなみに、18歳未満の子供との同居を含まない高齢者の世帯は約45%。また一人暮らし世帯だけを見ると女性の方が60歳以上という線引きの違いかもしれませんが、男性一人暮らしの世帯数の4倍(約1万5千:約6万)もあります。う〜ん、女は強し。
在宅介護支援センター

在宅の寝たきり老人などの介護や看護の相談に乗る窓口です。新ゴールドプランによって,大体,中学校区に1つの割合程度。ほとんどの在宅介護支援センターは老人ホーム,病院などに併設され,24時間体制で電話でも相談を受け付けています。
  施設入所,サービスの利用,介護機器の利用などの相談や手続きなどの仕事が主なものですが,人数などの態勢や,権限が小さいことなどの問題があり,本当に介護,看護の全ての問題を解決できるわけではないというのが現状です。
在宅ケアサービス

在宅で介護する際に受けられる福祉サービスのことで,在宅福祉サービスというようにもいわれます。一般的な在宅ケアサービスとしては「在宅福祉の3本柱」ということで,ホームヘルプサービス,デイサービス,ショートステイサービス,の3つがあげられます。
  また,これ以外にも,配食サービス,入浴サービスや,病院の運営による訪問看護・訪問リハビリテーションといったものがあります。ただし,利用したくても,住んでいる近辺・自治体にサービスが無い,などの場合がありますのでご注意を。
施設ケアサービス

入所するかたちで利用できる介護サービスのことを指します。在宅ケアサービスと対比され,老人福祉施設として,老人ホーム(特別養護,養護,軽費),ケアハウス,それ以外のものとして,有料老人ホーム,老人保健施設,老人病院,療養型病床群があげられます。入所を希望される場合は,住んでいる地域の在宅介護支援センターか,自治体の福祉課などに相談されるといいでしょう。
ショートステイ

一週間ぐらいの間、老人ホームなどでお年寄りを預かってもらうサービスです。「短期入所(事業)」とも言われます。介護している人が、用事のある場合や介護疲れなどで休みたい場合にも利用できます。
  介護者の負担を軽減することを目的としているところから、老人と一緒に介護者が入所して、介護技術の講習会を行っている、というようなところもあり、なかなか人気は高いようです。
痴呆性老人

知能の低下した状態、例えば自分の名前や今日の日付や時間が分からないといった状態、が長く続く老人のことをいいます。その原因は脳血管障害、アルツハイマー病などがあげられます。アルツハイマー病の場合は治療も難しいのですが、脳血管障害の場合はリハビリなどでの回復や進行阻止も可能です。
  ちなみに、痴呆性老人の6割以上は脳血管障害によるものです。また、痴呆性老人の65歳以上の人口に占める割合は、どの先進国でもだいたい5%前後です。
デイサービス

昼間に限って、老人ホーム、あるいはデイサービスセンターでお年寄りを預かるサービスのことです。お年寄りは同世代とのレクリエーションでの交流や、食事、入浴、生活指導を楽しむことができます。また、家族介護者教室が行われている所もあります。
特別養護老人ホーム


通称「特養」。「介護老人福祉施設」ともいい、「特別養護老人施設」と呼ぶ人もいます。日本で最も多い高齢者向け施設です。以前はライン作業的な介護でしたが、平成15年の制度改正により10人程度のグループ単位で家庭的介護を行うようになりました。この新しいタイプの特養を「小規模生活単位型特養」「新型特養」と呼びます。入所者は要介護度4、5がそれぞれ30%程度で重介護の人が多数を占めます。  痴呆や虚弱、または寝たきりで常に介護が必要なお年寄りに、長期的な介護を提供する老人ホームです。入所は希望者の意思の他に、公的機関の判断が必要ということになっていて、費用は所得に応じて変わります。
  重い病気にならない限りは、終身まで入所していることが可能ですが、入るまでが大変なのが現状です。

24時間巡回型ホームヘルプ

毎日4〜5回短時間、早朝・深夜も対応できる意味で、24時間派遣が可能なホームヘルプサービスです。従来のサービスは、週1〜2回、長時間、家事が中心というのに対し、このサービスは1日に数回、15分〜30分、身体介護中心、というようになっています。
  大阪府枚方市・福岡県北九州市の先行実施では、「夜も排泄介助があるためオムツをはずせた」「介護する家族の心身の疲れが減った」等の利用者側の効果、「効率的なサービス提供」「介護施設・病院より経済的」等のサービス側の効果も報告されています。
年金制度

毎年、一定額のお金を積み立てて、高齢や病気や一家の働き手が死亡したなどの時に、お金が支払われる制度のこと。国民全員が加入する国民年金のほか、民間サラリーマンが加入する厚生年金、公務員や元々公務員的扱いのJR、NTTの従業員が加入する共済年金、自営業者が加入することができる国民年金基金などがあります。
  ただし、高齢化の加速、経済成長の沈滞などで年金制度の運営は苦しくなりつつあり、今のサラリーマンは月給の約17%を企業と折半して納めているのが、2025年には約34%と2倍に跳ね上がると予想されています。また、給付額を減らす、給付開始年齢を上げる、専業主婦からも保険料を取る、などの対策も考えられており、これまでのように年金をもらえる、というようにはいかないようです。
脳血管性痴呆

脳の血流障害や動脈硬化などのために,脳へ栄養や酸素が行き渡らないために起こる痴呆症。リハビリテーションや薬の投与などの治療で障害の進行が止まったり,障害が回復する場合もあります。脳卒中の後遺症として出る場合が多いと言われます。日本の痴呆性老人の約半数以上が「脳血管性痴呆」といわれるので,約50〜60万人いることになります。
  また,「脳血管性痴呆」は以下のようなことを守ることで,悪化を予防することが可能です。
ノーマライゼーション

発音上「ノーマリーゼーション」ともいわれますが、英語での意味は「普通にする」ということです。誰が何するのを普通にしよう、といっているのかというと、高齢者・障害者が「普通に」生活する、ということを意味しています。
  今の日本では、「老人は寝たままにさせておく」といったような、ある種の年齢による隔離といったようなものがあり、そういったことをなくそうということでこの言葉が使われます。ただ、身体能力を考えると、全ての面で普通にするということも難しいので、実際は、特別視されることなく社会に参加できるということが目標とされています。
バリアフリー

障害物(バリア)が無い(フリー)ということです。車椅子の障害者や足腰の衰えた高齢者などは、ちょっとした段差でも乗り越えるのに苦労することがあります。そのような段差などをなくそうと云うことで「バリアフリー」が唱えられてきました。現在は、こういったことを実践した「バリアフリー住宅」などが作られています。
  また、最近はこの意味を応用して、障害者・高齢者と健常者との間の心の壁をなくそう、といった意味でもバリアフリーという言葉が使い始められています。
ホームヘルパー

ホームヘルプサービスにおいて、お年寄りの家庭で掃除、調理、入浴、排泄等のお手伝いをする人のことです。 スウェーデンでは10万人当たり1000人近くのヘルパーがいることを考えると、日本はまだまだ少数と言えるようです。
ホームヘルプサービス

週に数回、ホームヘルパーがお年寄りの家庭を訪問し、掃除や食事づくり、入浴や排泄のお手伝いをするサービスです。利用料は所得に応じて1時間あたり、0〜900円程度です。
  しかし、ホームヘルパーの数が少ない、24時間体制のサービスが少ないなど、問題点はまだまだ多いというのが現状です。

有料老人ホーム


養護老人ホーム・特別養護〜・軽費〜とは違って、公的補助の無い、完全に民間経営の老人ホームです。費用は入所する時に一定額を払い込み、あとは月々払いです(平均1200万円)。
  元々は日常生活のサービスのみを主眼においていましたが、最近は終身介護を目指している施設も増えています。
養護老人ホーム

身体の障害やその他の事情で、在宅で充分生活できないお年寄りに、長期的な介護を提供する老人ホームです。特別養護老人ホームとの違いは、入所する際の条件に「低所得」という経済条件が付け加わること。それだけに、利用料は安くなっています。
  あとは、当人の意思と公的機関の判断が必要なところは同じものとなっています。
療養型病床群


長く入院する必要のある患者のために,ある一定基準以上に病院の環境を良くした病院,病棟のことです。通常よりも医師や看護婦は少なくてよい分,介護職員を増やす必要があり,その点では老人病院の中の介護力強化病院と同じです。
  新築の場合は従来の病院になかった,食堂,談話室,浴室などがあります(既存病棟からの転換の場合は無くても良い)。また,年齢に関係なく患者は入院できますが,公的介護保険で特別養護老人ホームや老人保健施設と同じように,保険の給付対象となるので,高齢者により関係が深くなると思われます。

老人ホーム

入所することで、食事や介護などの日常における生活サービスを受けることのできる老人福祉施設です。ひとくちに「老人ホーム」といっても、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホームと区分されています。
  その違いはどういうものでしょうか。養護〜・特別養護〜・軽費〜が公的補助が出るのに対し、有料〜は民間資金で経営されていること。養護〜・特別養護〜が公的判断(自治体など)が入所条件にあるのに対し、軽費〜が経営者との直接契約で入所できること。養護〜が低所得であることが入所条件にあるのに対し、特別養護は経済条件はない、という違いがそれぞれあります。
老人保健施設
比較的長期間にわたって、介護の必要なお年寄りを預かる施設です。この施設は自立支援と家庭へのお年寄りの復帰ということを目指しています。ですから入所者も入院の必要はないけど、日常生活の自立が困難なお年寄りが中心となります。
  厚労省の調査では、施設から家庭に復帰した人が6割弱、しかも入所期間が長い、ということが分かっています。また、満杯の老人ホームの代わりに入所するというお年寄りもおり、あまり特別養護老人ホームと差がない、という声もあります。
老人保健制度

70歳以上の高齢者、または65歳以上の寝たきりの高齢者の医療費を、健康保険などの医療保険制度とは別に公的に負担するシステムのことです。医療費は各医療保険からの拠出金と国などの公費からの負担で補助されます。
老老介護

高齢者が高齢者の介護をすることです。一般的には,夫婦の片方が寝たきりなどで介護が必要になったために,もう片方が介護をするという図式となっています。このような老老介護は在宅での寝たきり老人の場合,全体の3割ぐらいとなっています。
  かなりの精神的・肉体的負担を強いられ,介護地獄ともいわれる日本の介護の状況の中で,高齢者が介護をする側になると,「共倒れ」といって介護する高齢者までが寝たきりになってしまったり,ひどい場合には先に亡くなってしまうということもあります。こういった老老介護の問題点をなくすためにも,社会的に介護をサポートしていくことが必要なのです。

 

 

 

 

 

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